愛の渦 R15指定

おすすめ★★

とあるマンションの一室に設けられた秘密クラブ「ガンダーラ」このようないわゆる乱交クラブは法的には、公然わいせつが適用されて検挙の対象になるので、参加しようと思ったなら止めときなさい、と言われる内容で簡単に言うと、性的欲求を満足させたい人たちが乱交クラブに集まり、一夜を過ごしましたという話ですが、U-NEXTで見られます。

陰気なニートの男、一見は実直そうで実は腹黒い会社員、チャラいフリーター肉体労働者で素人女性との経験がない太目の若者、おとなしそうな女子大生に保育士、どこにでもいそうではない可愛らしいOL、スレンダーなヤバい系の女性がただ「やりたい」という目的のために集まって、欲望を発散して朝にはそれぞれが他人として帰っていく作品。

それぞれに個人的な関係のない男女が恋愛感情なしで、性交というよりは交尾のように重なり合う映画ですから、撮影時間の大半を裸で過ごしたという話は事実なのかも知れませんが、映画を観ていてセクシーな感じはしません。

わざわざお金を払ってでも関係しないと性欲を抑えきれないという経験はないので、他人の行為を見ながら、そして自分の行為を見られながら夜も寝ないで交尾を続ける映像を見ても、なんだかなぁとしか思えなくなります。

それなりに期待をして映画を観始めましたが、ポルノ映画のように男女が絡む必然性というか、恋愛としての愛情表現ではないので、この映画に「愛の渦」というタイトルは意味があるのか?というようにも思えます。

元々は戯曲として発表された作品なので、舞台で演じられるべきストーリーというのもあるのでしょうが、乱交クラブを覗き見しているような感覚もなくて期待(何に期待したのかも自分でよくわかりませんが)していたような映画的なクライマックスもなく、淡々と粛々と映画は始まり映画は終わりました。

主役の池松壮亮は女子大生との最初の行為で特別な感情を持ってしまったため、一人の相手を独占しないというルールを破りそうになって、他の参加者からの批判を浴び、偶然知った女子大生の携帯番号を消すようにと言われて抵抗して乱交クラブの店員(窪塚洋介)と揉めたりする、ストーカーもどきのニートの役で、気持ちが通じ合ったと思った女子大生には、全くそんな気がないことが
判明するということで、踏んだり蹴ったりの勘違い野郎を演じています。

最初から最後までボソボソと喋っているので役柄かと思いましたが、他の映画でも、やたらと裸になるシーンは多いですが台詞回しは似た感じなので、絶対に好きになれない役者だと思っています。演技が下手だとは言い切れませんが、少なくともあの喋り方は無いわ~と思っています。

性的暴行で逮捕された新井浩文が、H好きなフリーター役とか、これは演技じゃなくて、素の姿なんじゃないの?と思うと生々しすぎて、この映画をテレビで放映するのは地上波じゃなくてもダメでしょうね。

この映画で主役の女子大生を演じた門脇麦は、映画関係のほとんどの新人賞を受賞しましたが、あの映画の中で存在感を出せたという部分を考えれば受賞に相当する演技だったと言えるのかも知れません。

こんな映画もあるんだね、と優しく見られる人にならば大丈夫だと思いますがなんだこの時間の無駄はと断ずる人にはお勧めできない映画です。星は二つですね。

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