デロリアンに乗って行きたい時代をセットすると、タイムマシンとなって過去や未来に自在に行けてしまうというタイムトラベルを題材に映像化した映画が「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で、30年後の未来として想定されたのは5年前の2015年でした。(最初の公開から30年ということになります。)
映画の中で描かれていた未来予想図は大半がイマジネーションを超えるほどは進化も発展もしていなくて、実際の生活面では1985年と大きく変わったことはあまりなかったのは残念でしたが、小学生の頃の「学研の科学」みたいな雑誌に書かれていた、50年後の未来には車は地上に浮かんで走るのでタイヤは不要とか、東京とアメリカは半日で往復できるようになるとかの想像よりは地に足が付いた感じの内容だったと思います。
ただ、ハード面に比べるとソフト面、特にインターネットの世界的規模の普及はそれまでの価値観を根底から覆すほど革新的だったとは思います。
映画が公開された頃には、個人用にブロードバンドが普及するなんてことは夢の世界のことで、ようやくピーガリガリなんて接続時に派手な雑音のする電話回線を使って、通信費がバカ高いので必要なページだけを読み込んで、慌てて接続を切ってキャッシュに残った内容を閲覧するのが一般的なサイトの利用法で、ネットコミュニケーションの標準はメールで、ごくたまにチャットぐらいは使うことはあっても常時接続なんてあり得ませんでした。
携帯電話もお金持ちの道楽用おもちゃか?というぐらい高額な通話料で、携帯電話を持っていること自体がステイタスというか特別な存在でした。通信費を節約するには現在の表現ならばSMS(ショートメッセージ)、当時はCメールなんて呼び方の短文メールで、まだポケットベルが健在でした。
パソコンを使用したデジタルな表現方法とかSNSの普及は30年前に未来を想像した時には想定外だったことと思いますし、最新の動画が一日に数千本という単位で世界の各地からリアルタイムで公開されるなんてことは、映画関係者であっても想像さえしていない時代だったでしょうから逆に言えばこのシリーズを作ったスタッフはとても良い仕事をしたということだと思います。
でもね、一番想像をしていなかったというか、想定外の大きな出来事は主役のマイケル・J・フォックスがパーキンソン病という難病に罹患して俳優の仕事をメインでこなせなくなってしまったことです。
現在はパーキンソン病の症状を抑える薬も進歩してきて、アメリカではテレビ出演などもしていますが、もしも病気にならなかったら…と考えると、やはりマイケル本人も周囲の人たちも残念な思いがあるだろうなという気がします。
出来ることなら「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の中で、もっと古い時代や新しい時代を見せてもらいたかったなとも思います。「スター・ウォーズ」のように9部作ぐらいでも良かったんじゃないかな。
個人的に一番好きなのは最初の作品で、Part2.Part3と続くわけですがPart4が上映されたら最高の作品になったかも知れません。
おすすめ評価
1作目:★★★★★
2作目:★★★
3作目:★★★★
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