今では冷凍品や輸入品が一般に流通するようになり、夏の食材というイメージ
は薄くなりましたが、やはり安全性や栄養素、そして味覚で選んだら旬の時期
(初夏から晩夏)の枝豆が一番美味しいような気がしますが、農産物の進化は
想像以上に速くて多彩なので、断定的なこと言えません。
枝豆は「枝豆」という名前の豆ではなく、未成熟の大豆であることはご存知の
方が多いと思いますが、成熟した大豆として食べるよりも枝豆の段階で食べる
ほうが、より多くの栄養が詰まった食品だということはご存知でしたか?
枝豆は、一般的に利用されている大豆に多く含まれているイソフラボン(女性
ホルモンの一種のエストロゲンの代替的な役割をする栄養素で、更年期障害や
骨粗しょう症など、女性に多い体調不良を軽減させる効果があります)を成熟
大豆の三倍ぐらい含んでいることが確認されています。
また瑞々しい青い豆であるがゆえに、葉酸というビタミンB群の栄養素も豊富
に含んでいて、貧血を改善する効果が期待されるので、妊婦さんや、いわゆる
妊活中の女性が多く摂ることを勧められている栄養素です。
この葉酸の成人一人あたりの必要量が、枝豆では100g食べるだけで摂取が可能
と理論上ではなっているので、女性の皆さんには大いに利用していただきたい
優れた食材だと言えます。
ちなみに貧血というのは、血が貧しいというように書きますが、実際に血液量
が少ないわけではなく赤血球の量が少ないことです。
赤血球が足りないと、血液中で酸素と結合して全身に酸素を送る役割を果たす
ことが難しくなり、筋肉の痙攣や脳の酸素量が欠乏することで意識が遠のいて
バタッと倒れたり、痙攣するといった貧血症状が出ますから、赤血球を増やす
ことは大切な健康管理になるわけです。
枝豆には、この他にも便秘の解消に役立つ食物繊維とか生活習慣病を予防する
とされるベータカロチンも、成熟した茹で大豆の約300倍ぐらい大量に含まれ
旬の期間に限らず、毎日でも食べたい食材です。
では美味しい枝豆の産地はどこでしょう?
国産の大豆の場合、枝豆前線は沖縄県の宮古島をスタートして、桜前線と同じ
ように、沖縄から鹿児島を経て、四国、中国を通って関西、中部を通り抜けて
関東へと移り行き、その後は岩手県や山形県などの東北地方で作られたものが
出荷されるようになって、最終的に北海道で収獲されたものが出回ると国産品
はおしまいということになります。
夏頃の主要産地である東北地方では、甘味が強くコクのある、茶豆や黒豆など
特徴のある豆が希少価値のあるブランド農産物として栽培されています。
山形県では「だだちゃ豆」岩手県では「茶毛丸」というブランドで県外各地へ
積極的に拡販活動を展開しています。
また高級な黒豆で有名な、京都・丹波の黒豆も一部は枝豆として販売され甘味
があり粒が揃った最高級品質の枝豆として扱われていますので、その中で本当
に美味しい枝豆を選ぶというのは難しいですね。
枝豆を選ぶ時は、まずその売り方に着目して下さい。
豆が枝についたままで売られているものは、いかにも収穫仕立てで鮮度が高く
美味しいように見えますが、実は枝が豆から栄養分を吸い取ってしまいます。
ですから、当日か少なくとも前日に収獲したものでなければ栄養が吸い取られ
その分、味もドンドン落ちてしまうのが実態です。
豆を枝から外してトレイにパックしたものは、ラップで包み込むことで中身が
蒸れた状態になるため枝豆本来の香りや味が落ちてしまいます。
そんなわけで、通気性の良いネット包装や袋内の空気を鮮度保持に適した生鮮
食品用にバランスに保つ特殊なフィルム包装になったものを選びましょう。
枝豆自体の見方としては、一つのサヤの中に三粒の豆が入っているものが均等
になっているものが低農薬の環境で健康に育てられたものです。
粒が一つとか二つとかでバラツキのあるもの、外見が黒っぽいものなどは品質
としてはあまり丁寧に育てられたものではなさそうです。
但し、茶豆の場合は豆に生えた産毛が茶色なので、全体が薄茶色に見えること
があるので、そういう目線で見ないと変色しているように見えます。
ですから特別な枝豆を選ぶ時には注意が必要かと思います。
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