ほぼ全国的に梅雨が明けた途端に、気温が体温以上になりそうな日が続くようになってきて、今年の場合は、コロナ禍のおかげで暑い最中にマスクの着用という異例な対応もしなければならず、体力的に厳しい夏になります。
換気が必要と言われるので、外気を閉鎖して部屋での冷房は出来るだけ避けろということになっていますので「水浴びでもしないと、やってられません」と言いたくなる人も子供連れの人は特に思うかもしれませんね。
例年ならば、海水浴場や清流の河原、レジャープールに出かける人も多くなり水の事故が増える時期ですが、幸か不幸か海水浴場は閉鎖されるところが多く、公式には泳げない状況ではありますが、監視員のいない海水浴場に人がいるという通報があるぐらいなので、非公式な表に出ない水の事故はありそうな感じがしないでもありません。
プールについては感染防止対策を行った上で、という注釈付きで営業しているところが多いような感じなので、水の事故を防ぐ方策については、命に関わることなので個人として迂闊に書くことは出来ませんが、プールの水で感染するクリプトスポリジウム症という病気について書いておきます。
クリプトスポリジウム症という病気は、牛、馬、豚、イヌ、ネコ、ネズミなど哺乳類に寄生している原虫が糞便と共に排出されて、手指や食物を通して経口感染するとされている病気です。
この病気の怖いところは感染者(下痢症状のある人)がプールに入ると、プールの中に原虫がばら撒かれ、感染者が一気に増えるということがある点で原因はともかくとして、水様性の下痢が続いている人がプールに入ることまずないと思いますが、下痢が治まった後でも二週間程度はプールや公衆浴場を使わないというようにすることが必要な病気です。
プールの場合は塩素消毒がされているはずですし、公衆浴場の場合も入浴前のエチケットとして、掛け湯のスペースがありますし塩素消毒もされていますがそれでも生き残るのがクリプトスポリジウム原虫です。
普通に考えたら哺乳類の糞便が口に入ることはないはずですが、牛の糞は有機肥料として使われていますし、イヌやネコの糞は公園の砂場に放置されていることが問題視されているぐらいなので、小さな子どもが砂遊びをした後で手を口に持って行ったり、乾燥した糞が埃状になって風に流されてプールの中へと入り込むことがあっても不自然ではありません。
また、ネズミの糞が乾燥したものは天井から粉になって、食品や飲料水の中に降り注ぐということもありますから、腹痛を伴う水様性下痢が3日~1週間程持続して、腹痛、吐き気、嘔吐、軽度の発熱がある場合には早めに医師を受診することが大切です。
ということで、こういう症状のある人がプールに入ると、感染力が非常に強力なので、集団感染を起こす危険性が非常に高い上、現時点では予防薬も特効薬もなくて、抗生物質も効き難い病気ですから、特に小さな子が感染すると危険ですから要注意だとされています。
今まであまり知られていなかった病気ですが、過去10年間で1万数千件の患者が発生している隠れた感染症ですから侮れません。
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