日本の活火山と聞いて思い浮かぶのはどこですか?と聞かれた場合、ほとんど
の場合は、北海道の人なら有珠山とか、関東の人なら浅間山とか箱根山とかの
実際に噴火した記憶のある火山の名前が出ると思いますが、鹿児島県の桜島は
毎日噴煙を上げ続けているので、桜島をイメージする人も多いかと思います。
富士山も長い間、寝たふりをしていますが、活火山で気象庁の常時観測火山に
指定されているので、1707年以来、約300年振りにお目覚めするかも?という
可能性はあるものの現時点では前兆となる地震活動は低下しつつあります。
といった火山の話がしたかったわけではなくて、有名な活火山である桜島には
日本一とされる作物が二つあるという軽い話題に繋げたかったわけです。
桜島は実際に行ったことがある人も多いかと思いますが、過去の噴火によって
被害に遭った建造物が残っていて、小学生の頃の社会科の教科書で、石造りの
鳥居が溶岩で半分ほど埋まっていた写真の現場にも行きましたが、想像よりも
かなり小さな鳥居で、噴火当時の人に大きな被害が出たのは確かですが、意外
に規模は小さかったのではなかろうかと現地で思ったものでした。
噴火活動がずーっと続いている桜島から逃げることもなく、桜島の固有品種の
栽培に精を出す農家の人たちの不屈の精神力は、本当に凄いものがありますが
その桜島で作られている大きな作物とは桜島大根のことで、ギネスブックでも
世界一大きいと認定されています。
土壌に合うように改良されて初めて作り出されてから、約200年の歴史がある
作物ですから、幕末の時代を生きた西郷隆盛や島津斉彬など過去の大河ドラマ
の主人公や薩摩藩の人たちも利用していたかも知れません。
デビューした当時は、現在のような丸っこい姿ではなく、もう少し長丸に近い
形状だったようで、いわゆる「大根足」のような姿でしたが、その後の改良で
重さ20kg以上、直径40センチ以上という現在の形状が出来上がりました。
桜島の噴火で噴出した火山灰の土が、この大根の生育に適しているために他の
地域では全く見られない地域限定の作物になっています。
一般的なイメージでは大きな作物は大味で、肉質も荒くて不味いとされますが
桜島大根は肉質が緻密で煮物にしても煮崩れることがないため、生のままでも
漬物でも煮物でも、いろいろな調理方法で利用されています。
次に日本一小さな作物ですが、桜島で栽培されている小ミカンは日本一小さい
とされていて、桜島内の各地で栽培されています。
元々は、江戸時代の豪商、紀伊国屋文左衛門が財を成した理由の一つとされる
紀州の小ミカンが原型となっていて、和歌山県内でも栽培されていますが現在
和歌山の栽培品種の主流は温州ミカンなので、桜島特産のものが一番小さいと
断言して構わないレベルのようです。
ミカン自体は甘くて美味しいのですが、小さな種がたくさんあり有田ミカンや
三ケ日ミカンなどの地域ブランドのミカンと比べると食べ難いです。
サイズ的にも一般流通のミカンの1/3程度の大きさなので、大人が食べるには
1個では足りないサイズですね。
桜島大根も小ミカンも桜島の特産品から全国区の人気商品へと拡販する気概は
あるみたいですが、なかなか思惑通りには進んでいないもたいですね。
単純に値段が高めということもあるように感じますが、地域の特産品は地域で
有効活用されてこそ、地域活性化にもつながると思いますので、あまり無理を
して全国に出すよりも、地域にお客を呼び込む企画に繋げた方がいろいろな点
で桜島で生活する人に役立つのではないかと思います。
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