映画では「新感染・ファイナルエクスプレス」「82年生まれ、キム・ジヨン」テレビドラマでは「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」のヒットで日本でも人気のコン・ユ、そして若い女性に人気のパク・ボゴムの二人が、主演として登場する「生きる意味」「死ぬ意味」を問う映画です。
コン・ユは話題の「イカゲーム」でも、命がけのゲームへの参加者を勧誘する謎の男性という役で出演していて、多額の借金を背負った債務者に楽しそうにビンタを張っています。男から見てもユン・ユはカッコいいです。
簡単なストーリーは脳腫瘍に侵され、余命半年か一年かという元国家情報部員ギホン(コン・ユ)が、勤務中の上司だった部長に拉致同様の手段で呼び出され、極秘任務としてある人の身辺警護を強制されます。
出典:映画.comより
その極秘の任務とは、世界初のクローン人間を産み出した研究所がテロ攻撃を受けたため、国家機密の漏洩を恐れた情報部がクローンの青年(見た目は青年ですが通常よりも二倍の速さで成長しているため実際には10歳の子供です)を研究所からシェルターまで移送する護衛をするというものでした。
実は裏があり、研究所から連れ出したクローンをアメリカに引き渡し、ギホンは抹殺するという計画でしたが、移送中に外国人傭兵部隊に襲撃を受けたためギホンとクローンのソボク(パク・ボゴム)は傭兵部隊のアジトに軟禁されます。
出典:映画.comより
ソボクの一般人を超越した能力とギホンの身体能力の高さによってアジトから逃げ出し、情報部の隠れ家で組織の支援要員と待合せましたが、情報部からの命令は二人とも殺せということで、ギホンとソボクは銃撃を受けますがソボクの特殊能力により弾丸は二人を避けて飛び、支援要員を倒した二人は車に乗り逃避行をすることになります。
砂浜でひと悶着ありますが、お互いに感情を露にして話をしたことでお互いの気持ちが通じたために、それまでは研究所に戻ろうと言っていたギホンでしたが、ソボクの頼みに応じてウルサンのイミョン聖堂に向かいます。
聖堂の納骨堂にあったのはソボクの原形、ハン・ギュンユンの遺骨でした。
10歳で、父親と一緒に交通事故死したハン・ギュンユンの死を悲しんだ母親が自分が研究を続けている研究所で作り出したのがソボクだったのです。
研究所に戻る途中で吐血して意識を失うソボク、急いで研究所に向かいますが途中で警察の追跡を受け、さらに情報部長にも追い詰められますが、再び傭兵部隊が現れて、ソボクとギホンを研究所に連れ戻します。
研究所の年老いたオーナーが傭兵を雇い、秘密を洩らそうとした研究者を爆殺したのが最初の事件の真相で、テロリストではなかったことが暴露され自分の死期を永遠に延ばすのがオーナーの目的だったことがわかります。
ソボクの母親の研究員もオーナーの横暴に耐えられず、オーナーを射殺しようとしたところで傭兵に銃撃されて死亡しますが、その死体はソボクの元だから大切にしろと傭兵たちに命ずるオーナーにキレたソボクは超能力を全開にして研究員を殺し、オーナーを車椅子と一緒に折り畳み、攻撃する情報部員と警察に対しても激しい攻撃を加えます…というところで最後までは書きません。
簡単なストーリーと書いた割に、結構長い文章になりました。
映画の全編を通し、死なないソボクの素直で純粋な質問に答える、間近に死期の迫ったギホンの触れ合い、最初は感情の無いアンドロイドのようなソボクが二人の今までのことが理解されていくにつれて、感情を表に出すようになっていく演技や超能力によって破壊されていく様子を描くCGなど、高いレベルで観ることが出来る映画で、観て良かったですが、ラストシーンが重いです。
韓国映画って割と重苦しく後を引きずる映画が多いように感じますが、今作もソボクの体にギホンが宿って、二人で一つの命を分かち合って生きるといった感じの設定でも良いので、二人とも生き残って欲しかったなと思いました。
人は何故、眠るときに怖くないんだろうか?というのは子供の時思ったことがありましたね。このまま寝ると朝が来ないんじゃないだろうか、と考えて夜中になっても寝られなかったことが子供の頃の一時期ありました。
そんな深い台詞がたくさん散りばめられた映画が「ソボク」でした。
公開日:2021年
上映時間:114分
製作国:韓国
監督:イ・ヨンジェ
主演:コン・ユ、パク・ボゴム
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