10月1日、北海道でシシャモ漁が解禁になっています。
解禁も何もししゃもなんて、街中のありふれたスーパーで普通に売っているし
特売の時には1パック198円ぐらいの時もあるのに。
そんな話が聞こえてきそうですが、スーパーの干物コーナーや居酒屋の定番の
メニューで、年中流通しているシシャモでではなく、北海道産の国産シシャモ
は一か月のみ限定の希少価値のある魚で、漁が解禁される一か月だけ生鮮魚が
北海道から出荷されますので、一般販売のシシャモとは根本的に違います。
お店でパックに整然と並んだ「子持ちししゃも」は、ノルウェー産のカペリン
という魚で、原料名は「カラフトシシャモ」と書かれていますが、北海道沿岸
で獲れる本家本元のシシャモとは似て非なるものなのです。
ノルウェー産のカペリンは主にメスが中国などで塩干加工されて日本へと輸入
されて販売され、オスは当然「卵」を持っていないので、以前は肥料や家畜の
の餌の魚粉に加工されていました。
但し、資源保護の観点と卵に栄養を取られないことで、魚肉自体はオスの方が
美味しいという話が広がって最近はオスのカペリンも売られています。
それに対して、北海道産のシシャモの場合は卵を持ったメスも食べられますが
オスの方が旨みがあるとされていて、メスよりも高値で販売されることもある
魚です。(とは言うもののメスはほとんど地元で消費されますが、オスは干物
に加工されたものが量販店でも売られているので、余り気味かも知れません)
有名な産地の鵡川(むかわ)では、解禁初日の漁獲量は約12キロ程と少なくて
その希少なシシャモは鮮魚でしか食べられない刺身になったり、干物に加工後
やはり地元で食べられているようです。
シシャモの刺身や寿司で知られていますが、今年はコロナ禍の影響で人が密に
なるのを避けるために生での販売は中止になるお店がほとんどのようで観光で
行かれる方はシシャモの刺身・寿司は諦めた方が良いみたいです。
シシャモの語源はアイヌ語で柳の葉という意味です。
アイヌの伝説・伝承の中で食糧に困ったアイヌの人達を案じた神様が柳の葉を
川に流して魚に変えたのがシシャモという話があって、北海道では昔から大切
に利用されてきた魚種であるだけに、希少ではあるものの期間を短く区切って
保護をしながら漁をするという選択がされている貴重な資源であるシシャモは
機会があれば食べてみることをお勧めします。
秋鮭のシーズンが終盤になり、シシャモが解禁になって北海道に寒い冬が到来
するのも、もう間もなくという時期になってきましたね。
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