2019年、ルカ・グァダニーノ監督のリメイク作品が上映されて、旧作の怖さが再認識されたイタリア映画「サスペリア」。
リメイク作品の予告編
その後、故・ジョージ・A・ロメロ監督と「ゾンビ」を共同監督してホラーの巨匠となったダリオ・アルジェント監督の作品です。
「サスペリア」とは、イタリア語で「予感」という意味で、映画の中で感じる予感が、怖さを増幅させていく内容のホラー映画です。
大嵐の夜、ダンス学校に入学するためアメリカから到着した女生徒=スージーが、大雨の中を全寮制の寄宿舎にタクシーで着いた時に、寄宿舎の入口で偶然鉢合わせた女生徒が、取り乱した様子で「アイリスの花を…」と、いう言葉を残して雨の中へと走り去って行き、友達の家に助けを求めて駆け込みます。
窓の外に「何かを感じて」窓を覗き込むと、そこにいる何者かに友達も一緒に惨殺されるという場面から映画の中に引き込まれていき、学校の生徒達、講師盲目のピアニストなど、怪しげな予感を感じさせる人々ばかりの登場人物。
これは殺害シーンばかりなので見たくない人は見ないで下さい。
ダンス学校は、実は永遠の時を生きている魔女が棲む場所で、冒頭に寄宿舎を飛び出して殺害された女生徒は、魔女の潜む部屋に出入りをするための秘密を知ってしまったために殺害されてしまったのでした。
ここからはクライマックスに向かって一直線に突き進むということで、原色に彩られた部屋で魔女との一騎打ちが始まるわけです。
最後まで書いてしまったら、これから見る人に失礼なのでお話はここまで。
元々、イタリア映画はエロ・グロに寛容というか、血の吹き出す映画で有名なマカロニウェスタンでも撃たれた時の血糊の量は本場のハリウッド映画の数倍ではないかというぐらいに残酷描写が激しいモノでしたから、映画が始まった直後の女性の殺害シーンも、かなり激しいものでした。
血しぶきが飛びまくるスプラッター映画が出てくるまでは、血まみれの映画と思っていましたが、ブライアン・デ・パルマ監督が登場してからは、この程度の鮮血では驚かなくなるのですから人間って鈍感なんですよね。
劇場内に設置されたスピーカーの音を少しずつタイミングをずらして流すことによって、劇場内で音が回っているような音響効果が取り入れられて、大音量の音響によるコケオドシもありましたし、イタリアのロックバンド・ゴブリンが演奏する音楽も怖さを増幅させました。
当時、2,500円で買ったサウンドトラック盤を整理しようと、中古レコード店に引き取ってもらったところ、二倍の5,000円の値段が付いたので驚きましたが、ゴブリンはマニアックなファンがいる割には状態の良いレコードがなくて10,000円以上でも売れるという話を後から聞いて、しまった!と思いましたがそれは後の祭りというやつでした。
エロ・グロ描写のエロの部分もしっかりと一部にはありまして、ダンスシーンや魔女との最後の対決の時には、スージー役の女優(ジェシカ・ハーパー)はノーブラで、胸の先端の乳首がツンと見えていたのがセクシーでした。
当時は高校生だったので、そういうところは見逃さないのです。
日本での大ヒットに気を良くして、同じダリオ・アルジェント監督が演出したの「サスペリア2」という映画が続いて上映されましたが、実際はサスペリアよりも前に作られた、あまりパッとしない映画で、サスペリアとは全く関係のない凡作でした。(知っているのは宣伝に釣られて観たからです)
今の時代だったら大ブーイングでしょうが、お客も配給会社もおおらかな時代でしたからね、なにか違わない?ということで、済まされたのでした。
旧作の「サスペリア」「サスペリア2」はU-NEXTで観られますが、リメイクした作品は見られません、というか映画館で上映はされたものの、コケたので動画配信サービスでは流れないのかも知れませんね。
個人評価:★★★★
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